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ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返す


私たちは当然のように、「眠る」と「起きて活動する」をくり返しています。寝不足が続くと、集中力や意欲が低下したり、免疫力が低下したり、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。


眠気が起こるメカニズムがまだ分かっていませんが、睡眠への欲求である「睡眠圧」と、約24時間サイクルでくり返される「体内時計からの覚醒シグナル」によって、眠気が起こると考えられています。つまり、睡眠圧が高まり、覚醒シグナルが弱まると、眠気が襲ってくるのです。また、体内時計の制御が狂うと、時差ボケが生じます。こうして生じた眠気は、睡眠を取ることで解消されます。


睡眠には、レム睡眠、3段階(N1~N3)のノンレム睡眠があり、一晩でこれらをくり返しています。鮮明な夢を見るレム睡眠と、脳が覚醒時とまったく異なる活動をするノンレム睡眠を繰り返すことで、心身の回復や記憶の整理と定着などが促進されます。 睡眠中も脳は活動しており、睡眠には多くの役割があります。


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睡眠の役割





 脳に対する役割


・学習したことを整理し、保存する

・判断力を向上させる

・長期的な記憶を確立する(記憶の定着)

・神経細胞を修復し、新しい情報を必要なものとそうでないものに分け、不要な情報を削除する

・ストレスや不安の軽減と、感情の整理によって心身のバランスを保つ






 身体に対する役割

・免疫機能を活性化させ、免疫システムを強化する

・成長ホルモンを分泌し、肌のターンオーバーや脂肪の代謝を促進させる

・成長ホルモンによって筋肉が成長する

・体の細胞を修復し、疲労を軽減する

・血糖値やホルモンのバランスを整え、代謝を調整する




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深い睡眠が良い睡眠?
よく「質の良い睡眠」が話題に登りますが、ぐっすりと眠る深いノンレム睡眠(N3)だけが質の良い睡眠かといえば、そうではありません。脳波が活発に活動するレム睡眠も大切です。

朝方になると増えるレム睡眠では、脳の血流量が増えることが分かっています。これが認知症発症と大きく関わってくるとも考えられています。ところが、加齢とともにレム睡眠の割合は減少していきます。

アメリカで実施された長期研究(60歳以上、認知症ではない321人が対象)では、睡眠におけるレム睡眠の割合が少ないほど認知症のリスクが高いことが分かりました。レム睡眠が1%減るごとに、認知症のリスクが9%増えたのです。筑波大学でのアルツハイマー病マウスを使った実験でも、ノンレム睡眠の量に関わらず、レム睡眠の量が少ない固体ほど学習成績が悪いという結果が出ています。

これらのことから、質の良い睡眠の観点として、深いノンレム睡眠とレム睡眠が安定的に持続してとれているかどうか、という点が挙げられます。


必要な睡眠時間は遺伝子で決まる


多くの場合、朝型と夜型は年齢とともに変化します。思春期から20代は体内時計が遅れがちで、夜型になりやすい傾向があります。ところが、30代をすぎると徐々に体内時計が実際の時間に追いつくため、40代から50代では朝型になっていき、歳を重ねるごとにその傾向が強くなります。ここで注目すべきは、朝型だからといって睡眠時間が短くてもいいというわけではないという点です。


それぞれが必要とする睡眠時間は遺伝子によって決まります。睡眠時間は訓練で短くすることはできません。必要な睡眠時間は人により異なるため、一般論としては「睡眠時間は7時間~7時間半が適切」といえますが、その一般論に当てはまらない人もいます。


休日に寝溜めをするという人もいますが、睡眠は溜め込むことができません。睡眠不足を解消することはできても、睡眠不足に備えて寝溜めはできないのです。

睡眠不足が蓄積すると、日中の判断力が低下したり、強い眠気に襲われたり、居眠りをしてしまうこともあります。そうして運転中に居眠りをすれば、事故につながる危険があります。


人は睡眠時間が十分な場合、それ以上は眠ろうとしても眠れません。休日にいくらでも眠れるという人は、すでに睡眠不足に陥っているということです。もしくは、睡眠時無呼吸症候群などの影響で、睡眠の質が著しく低下している可能性も考えられます。

睡眠に対する感覚は客観的な感覚と異なることがある
質の良い睡眠とは、主観的には「寝つきがいい」「朝までぐっすり眠れた感じがする」「起きたい時間にすっきり起きられる」等の感覚で判断することができます。逆に、「寝つきが悪い」「途中で目が覚めてしまう」「熟睡した気がしない」というときは、睡眠の質も悪いといえるでしょう。

一方で、客観的に質の良い睡眠とは「寝付きが良く、途中で目が覚めることが少ない」「深いノンレム睡眠とレム睡眠が安定して十分にとれている」「十分な時間を眠っている」などが条件にあがります。

そして睡眠は、主観的に良いと思っていても客観的に良くないことや、その逆も多々あります。睡眠の質が良いと思っている方に睡眠時無呼吸症候群が見つかったり、眠れないと訴える人が本人の自覚よりもよく眠れていたりすることがあるのです。


自分の睡眠を計測してみよう!
近年はさまざまな睡眠計測機器があり、睡眠を客観的に調べることができます。睡眠不足や生活の規則正しさに課題がある場合は、腕時計型のデバイスやスマホアプリなどを活用して、就寝時刻や毎日の睡眠の長さをチェックしましょう。

また、「睡眠の質が悪い」「眠れない」などと感じている場合は、睡眠状態を詳細かつ正確に知ることができる脳波測定が適しており、近年は自宅で気軽に脳波を測定できるサービスも登場しています。自分で感じた睡眠への感覚と、測定結果を見比べてみるのも面白いかもしれません。


睡眠の質のために睡眠環境を整えて

睡眠習慣チェックリスト


  • 寝室が暗くない

  • 寝るときに周囲の音が聞こえる

  • 寝室が寒い、もしくは暑い

  • 夜のリビング・ダイニングが明るすぎる

  • 寝る前にカフェインを摂っている

  • 寝酒の習慣がある

  • 寝室以外での寝落ちが習慣化している

  • 眠れないのに布団の中にとどまる

  • 寝る前にストレスフルなことを考え続ける

  • 寝る前にスマホでSNSやゲームをやる

なかなか寝つけないことや、夜中に目が覚めてしまうことに悩んでいる方、あるいは、より良い睡眠をとりたい方も、「睡眠習慣チェックリスト」を確かめながら、チェックが入った行動は避けるようにしましょう。

「眠れなくても、布団に入って目を閉じているだけで、体は休まる」と考えている人がいるかも知れません。しかし、意識がある状態では、睡眠の効果は得られません。ただ、目からの情報を遮断しただけです。

そのような日が続くと、逆に体が「ここは眠れない場所だ」と覚えてしまい、ますます眠れなくなってしまいます。それこそまさに不眠症への第一歩。眠れない日は、「少しくらい眠れない日があっても、何とかなる」と気楽に考えることが重要です。

20分ほど経っても眠れなければ、一度ベッドから出て、眠くなってから寝室に行きましょう。


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